鰹節の効果

鰹節は健康寿命に良いとされています

鰹節はとても栄養価の高い食品で、ハーバード大学の研究室の発表をはじめ、様々な博士、医師、専門家が、鰹節の健康効果を伝えております。

2019年の世界健康寿命の調査では、男女ともに世界一となりました。
(WHOが発表した2021年版の世界保健統計(WorldHealthStatistics))
また厚生労働省の調査でも、日本の中部地域の県を中心に、健康寿命が長いという統計もでており、この地域の食材が日本の健康寿命を支えているとも言えます。

若さを保つ効能があります

鰹節にはイノシン酸が含まれており、体内に入ると細胞が活発化され新陳代謝が活発になるため、新陳代謝促進の効能があります。
髪の毛が新しく生え変わったり、皮膚が生まれ変わったりするので、美容(アンチエイジング)にも良いとされています。
細胞が活性化されることは、美肌効果や口内炎、ニキビなどの肌荒れにも有効です。
肌を内側から支える働きのあるアミノ酸が、肌の張りや弾力を保ち、美肌効果にも期待できます。
また、EPA(エイコサペンタエン酸)、ヒスチジン、リシンという成分が中性脂肪燃焼を促進させるので、ダイエット効果も期待できます。

病気や怪我をしにくい体にする効果があります

鰹節由来ペプチドという成分が含まれており、日頃から積極的に摂取していると、高血圧の予防効果があると言われています。
自然食なので、緩やかに血圧を下げてくれるため、薬を敬遠したい方にもうれしい成分です。
細胞の生まれ変わりや新しい赤血球を作ることに欠かせないビタミンB12、葉酸、鉄分が貧血を予防し、EPA(エイコサペンタエン酸)は血液をサラサラにし、血液の循環を助けてくれます。ナイアシン、ビオチンが毛細血管を広げてくれるので、冷え症の緩和にも効果があります。動脈硬化、心筋梗塞、脳梗塞などの予防にも効果があると考えられています。
血糖値の上昇を抑えるイソロジンは、糖尿病の予防が期待できます。
ビタミンEは免疫力を高めてくれるので、ガンや動脈硬化の予防にもなると言われてます。
カルシウム、リン、ビタミンD、マグネシウムもバランス良く含まれており、骨を丈夫にする効果もあります。

体や心の疲労を緩和してくれる効能があります

鰹はものすごい長距離を泳ぐ魚で、疲労回復効果があるペプチドという成分を体内に多くもっており、体の疲労の原因となる乳酸を分解したり、脳内の神経伝達を邪魔する水素イオンも除去してくれるので集中力もアップします。
トリプトファンは、必須アミノ酸の一つで脳に運ばれるセロトニンという神経伝達物質を作る役割があり、不眠を解消する効果があります。セロトニンは心のバランスを保つ効果があり、ストレス解消や不眠症の改善にも効果があると言われています。
フェルニアラニンは脳内神経伝達物質であるドーパミンやノルアドレナリンの生成に関与し、精神が高揚するとも言われています。

鰹節はアレルギーを起こしにくいと言われています

鰹節は、その製造過程からアレルギーを起こしにくくなっています。魚のアレルゲンである物質は、水にさらしたり熱を加えたりすることによって軽減する傾向があります。
鰹節は「煮込み、いぶす、天日干しして乾燥させる」などの工程の中で、アレルゲンを減らしています。
また、食品衛生法で表示が義務付けられている特定原材料7品目、準ずる原材料21品目に含まれません。
【特定原材料7品目】
えび・かに・小麦・そば・卵・乳・落花生(ピーナッツ)
【特定原材料に準ずるもの21品目】
アーモンド・あわび・いか・いくら・オレンジ・カシューナッツ・キウイフルーツ・牛肉・くるみ・ごま・さけ・さば・大豆・鶏肉・バナナ・豚肉・まつたけ・もも・やまいも・りんご・ゼラチン

刺身やたたき等の状態でかつおを食べるよりも、鰹節として食べる方が摂取量としても少なくなりますが、鰹だしとして摂取すると、さらに少なくなります。それだけ、アレルギーも起きにくくなり、発症したとしても比較的症状が穏やかであることになります。
鰹は上記の原材料の中には含まれませんが、アレルギーが起きないと言えるわけではありません。
食中毒の一種で、ヒスタミンという物質が多く生成された状態の魚を食べてしまうと、じんましんやおう吐、下痢など、アレルギー反応と同じような症状が起きることがあります。
鰹節の原料となる鰹は、水揚げされたらすぐに冷凍されるため、ヒスタミン食中毒を起こす可能性は低いと言えますが、冷凍される前に常温等不適切な環境で放置すると、細菌が生成された状態で冷凍することになり、食中毒が起こる可能性があります。摂取量から考えても、鰹節から食中毒が起こる可能性は低いですが、万が一、舌にピリピリした刺激を感じる場合には、ヒスタミンが多く含まれている可能性がありますので、食べるのをやめるのが賢明です。

職人が教えるかつぶし屋の蘊蓄

家庭で、海外のだしは10時間以上、フォンドボーは2週間煮込むのに対し、日本のだしは時短です。

海外の煮込み料理で欠かせないフランス料理のだし。
牛や鶏、魚などの動物性材料のほかに、香味野菜は煮込むと肉や魚の好ましくない匂いを消すので、香りづけの役割も持っています。
フランス料理のだしは、ブイヨンとフォンの2つに大きく分かれています。
「ブイヨン」はポタージュやコンソメの土台で、「フォン」はソースや煮込み料理の土台になります。

西洋料理が香りを重視するのに対して、中華料理は油を使った濃い料理に合う、コクとうまみがあるだしが好まれます。
鶏や豚を長時間煮出し、香りづけよりは臭みを消すために香味野菜や香辛料を加えた味の濃いだしが使われてきました。
中華のだしは「湯(タン)」と呼ばれ、動物性のだし(ホウタン)と植物性のだし(スウタン)に、主に分かれます。

日本のだしが時短なのは、だしを取るまでの仕事、原料選びから仕上げまでの手間と時間を職人が担っているためなのです。
ヘルシーで健康に良いと、世界中で見直されている日本のおだし。それはスローフードというより、ファーストフードと言えます。

「三河物語」著
天下の御意見番 大久保彦左衛門

岡崎出身で徳川家康、秀忠、家光の三代将軍に仕え、社会のためなら家康にも真っ向からさからった“天下の御意見番の大久保彦左衛門”が、鰹節を勝男武士(かつおぶし)と表しました。

活躍した関ケ原の勝ち戦をはじめとする携帯保存食として、長寿健康食として、80歳の生涯で60代から執筆した「三河物語」で絶賛しています。

本書で「長生きしたければ鰹節を食べよ」と述べています。
享年73歳の家康の健康意識も名高い。

長生きしたければ鰹節を食べよ

ともに家康に仕えて武功を競った井伊直政(1561~1602)が病気をした時のこと。
病床の直政を訪ねた彦左衛門は、「自分は鰹節を食べているため、すこぶる元気である。身分が上がって贅沢が出来るようになっても、鰹節を食べるように」と、鰹節を持ち寄って朝夕に食することを勧めたと言われています。

削り節

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